熱っちい地球をさますんだっ!

♪(ここに歌詞を書こうと思ったけどJASRACがうっさいからヤメ)
ってことで地球は温暖化しているそうで。なんとかして止めないといけないそうで。ハロプロもキャンペーンに駆り出されています。そして、わけわかったのかわからんのかわからん知識で「水を大切に」とか「充電していないときは携帯の充電器のコンセントを抜こう」とか言ってるわけですが。


さて、果たして本当に地球は温暖化しているの?「常識だろ?」ってか。常識かどうか、マイケル・クライトン著「恐怖の存在」(上)(下)を読むとそんな常識が覆されます。
クライトンといえばSFファンじゃない人には名前は知られてないかもしれないけど、「ジュラシック・パーク」の原作者と言えばある程度はわかっていただけるかと。科学の使い方を誤ると危険だよ、という警鐘となるような作品が多い作家さんです。*1
この作品も、本屋で装丁見るとノンフィクションっぽいですが、フィクションです。

フィクション作品をおもしろく読み進ませるために、いろんな陰謀が渦巻いて、自然保護団体とテロリスト、自然保護に多額の寄付をしている大富豪とその弁護士などなどが絡み合って物語を作ってはいるのですが、それよりも、提示されるデータの洪水にちょっとヤんなります(笑)
データは全て、フィクションでありながらも、いわゆる公式なサイト(NASAとか)で読者が実際に参照できるような形で提示されています。*2
とりあえず「作品はフィクションだが、脚注は全てノンフィクションだ」とクライトン氏は書かれてます。


内容はというと、地球温暖化についてあっさり否定しています(笑)いやぶっちゃけ過ぎた要約ですけど、はい。
正確には二酸化炭素の増大による温室効果によって引き起こされる地球温暖化について、科学的根拠がないよ、と言ってるんですけどね。ヒートアイランド現象などは否定していません。
大切なのは、ちゃんとした生データ(科学的根拠のない−または根拠があると主観でしか思っていない−補正がかかっていない)による、観察と、そこから導き出される論理的な結果である、と。
要するに、「局地的な温度上昇と地球温暖化の区別はついていない」「局地的に見れば温度が下がっている地点もたくさんある」よって「地球全体として温度が上がっているというデータはない」ということ。南極の氷山だって、溶けてるところもあるけど、氷の厚みが増しているところもあるというデータもある、と。海面水位だって上がってるところもありゃ下がってるところもある、と。
実際には、現時点で地球気象すべてのシミュレーションなんてどんなスーパーコンピューターを使ってもできない*3というのに、シミュレーションの結果、温暖化するなんて言ってるのはおかしい、と。そんなん科学的でもなんでもないよ、と。

日本人の私が、これを読んで正直思ったのは、京都議定書に署名しなかったアメリカ人的な発想なんじゃねぇの?その説明に都合のいいデータを提示してんじゃねぇの?ってことですが、それは逆も言えるんですよね。要するに「地球温暖化してる、って言うのに都合のいいデータを提示してんじゃねぇの?」と。
実際、アメリカではそのような(京都議定書に非署名)背景があるから、この作品が好意的に受け入れられたかというとむしろ逆で、いわゆるインテリ層からは総スカンを食ったようです。アメリカンな人たちでもほとんどが地球温暖化を常識と思っているってことですね。

で、クライトンがほんとうに言いたいのは、「地球温暖化なんかしてないよ〜〜んだ!」ってことではなくて、そういう「地球温暖化って常識でしょ?」から始まって、「エネルギーを浪費するのは悪だ!」「地球温暖化を否定するなんて信じられない」という風潮−ともすると政府にではなく、世論による社会統制−ができてしまうことが危険なんだ、ということ。一方向からだけの意見でなく、さまざまな角度から、ちゃんとしたデータを使って、きちんとした議論ができなければダメだよ、ということ。

さぁ、今日から充電器コンセントから抜かなくていいから。温熱便座の蓋上げっぱなしでいいし、顔洗うときに水出しっぱなしでおっけ〜!(ダメ爆)


クライトン氏は、自然を愛する、できれば自然とともに暮らしたい、と言っておられる方であるということだけは付け加えておきます。



え〜と・・・ハローネタだよねこれ?(笑)

*1:自然はそうそう人知が及ばないよ、という警鐘と言ったほうがふさわしいかもしれない。が、今回は最終的には科学に頼れっていう話でもあるので

*2:って実際に参照はしてないです、すんません。もしかしたらアメリカでの発表時期との時差でリンク切れてるサイトとかあるかもしれません。

*3:たかがハリケーンの進路さえ完全には予想しきれないくらいなのは先のカトリーナの例でも明らか−もちろん作品が書かれたのはカトリーナよりかなり前ですが